治療と看護を融合させ、医療の質向上に寄与する
私たち診療看護師(NP:nurse practitioner)は、医師の指示のもと患者さんの診療に携わります。診療行為そのものを行う点が看護師とは異なり、看護師とは患者情報を提供し合う相互扶助の関係にあります。当院の診療看護師は、主治医とともに副担当として担当患者を受け持ちます。主治医同様に治療・診察を行い、疾患に対するアセスメントを考慮して治療に対する提案を医師に伝えたり、必要であれば投薬量を変更し、検査も行います。ときには他科への診察依頼、チーム医療へのコンタクトなど、周りを巻き込みながら担当患者さんが最良の医療を受けられるようにするのが役割です。
他職種からの信頼を得ながら、少しずつ役割を確立
診療看護師の導入は全国的にもまだ始まって数年しか経っておらず、業務内容や活動範囲は医療機関によってさまざま。私自身も当院に入職したばかりのころは、「診療看護師として何をすればいいのか?」という回答を持ち合わせていませんでした。病院のニーズと照らし合わせることからスタートです。1年目に各科を順に回るローテートで病院のニーズを拾いあげ、同時に病院側にも診療看護師に対する理解を深めてもらいました。医師には今までとは違う診療サポートができることを知っていただき、看護師には病態や根拠など医学的知識も合わせて指示や助言を行うことで、診療看護師の意義を感じてもらえるよう努めました。
患者さんの満足度向上に貢献し、活動の幅を広げたい
あるとき、それまで入退院を繰り返していた慢性疾患の患者さんを副担当として受け持ちました。患者さんは症状が軽快されないことの不安を主治医への不満として、入院生活のストレスを看護師への不満として溜め込んでいました。もちろん、医師も看護師も最善の対応を行っていることは知っていました。そんなときこそ私の出番です。その場で医師と共有している治療内容や病態について話をし、看護師に代わって傾聴することで、患者さんに寄り添うことができ、病棟看護師長からは「あなたのおかげで、今回の入院では患者さんから不満を聞かなかった」と言っていただけました。今後も医師、看護師をはじめ他職種との連携を図ることで患者満足度を向上させ、安全を担保しながら、当院で診療看護師の有用性を発揮したいと考えています。
People
宏潤会ではたらく人たち