疾患を問わず診られるジェネラリストを目指して
理学療法士を志した当初は、スポーツリハビリに関心を持っていましたが、実習を通じて急性期医療の現場に強く惹かれるようになりました。なかでも宏潤会のリハビリテーション部門が「ジェネラリストの育成」を教育方針に掲げている点に魅力を感じ、入職を決めました。
入職後、いくつかの病棟チームをローテーションで回り、4年目からは脳神経外科・内科のフロアのチームに所属しています。ここは、基本的な運動機能・動作能力の再獲得を目指す、理学療法士としての基礎が詰まった現場。学ぶことは枚挙にいとまがなく、経験を重ねるほどに視野が広がっていくのを感じています。
「多職種連携」の意義を実感する日々
脳卒中などで、突然身体が思うように動かせなくなった患者さんは、その現実を受け入れること自体が非常に困難です。意思疎通が難しい方、麻痺が強くほとんど動けない方など、一人ひとりの状態は異なりますが、私たちは常に身体・ことば・心のすべてを使って、丁寧にコミュニケーションをとるよう努めています。少しずつ動けるようになり、笑顔を取り戻した患者さんから「ありがとう」と言っていただけた瞬間ほど、嬉しいことはありません。
急性期での治療を終えた後は、退院して在宅復帰や回復期への転院といった次のステージへ向かいます。最終的には生活自立、社会復帰を見据えた療養を、入院時から提供できていることが求められます。そのため病棟や退院支援の看護師、居宅サービス担当者など多職種と連携し、患者さんの未来を一緒に考えます。そうした「チームで支える」体制の中にいることに、大きなやりがいを感じています。
「退院後の生活」まで支えられる存在に
現在の目標は、急性期においてどのような疾患であっても対応できるセラピストになることです。そのために、糖尿病療養指導士、三学会呼吸療法認定士、脳卒中療養相談士など、幅広い分野の資格取得をめざして勉強を続けてきました。将来的には、認定理学療法士やケアマネジャーにも挑戦したいと考えています。
退院はゴールではなく、新たな生活のスタート。その一歩を安心して踏み出してもらうために、私たち理学療法士は運動機能の側面から「その後の人生」を支えていく存在でありたいと思っています。