未知の世界・急性期医療に飛び込んだ
子どもの頃、脳こうそくを発症してリハビリに取り組む祖父の姿を見て、リハビリの仕事に興味を持ちました。なかでも、より生活機能に密着し、認知症の方の精神面にも関わることができる作業療法士の道を志しました。
大同病院を選んだのは、学生時代には接点のなかった「急性期医療」という未知の世界に飛び込んでみようと思ったからです。がん診療に注力し、がんのリハビリテーションにも積極的に取り組んでいることにも魅力を感じました。
入職1年目は脳血管障害、運動器障害、内部疾患、そして法人内の老人保健施設、サテライトクリニックをローテーションして、幅広い現場で疾患とのかかわりを学びました。2年目からは内科、脳神経、整形外科のチームに約2年ずつ所属し、実践を積みました。
オールマイティな作業療法士を目指して
一般に、例えば脳こうそくを発症した患者さんの場合、理学療法も作業療法もまずは「起き上がる」ことが共通の目標となります。そこから、理学療法は「歩行」へ、を、作業療法では「日常生活動作(ADL)」の向上へと、それぞれの専門性が発揮されていきます。そのくらいになると患者さんは急性期から回復期に入り転院されるので、急性期病院における作業療法士に求められるのは、比較的オールマイティな対応力。それを着実に磨くためのローテーションや研修プログラム、さらには理学療法も含め各種専門知識を持った先輩セラピストたちからの学びは大変貴重で、風通し良く気軽に相談できる環境が整っているところが、この病院の魅力だと思います。
認知機能の低下や、そのひとの不安を払拭したい
「認知症ケア専門士」というリハビリ部門ではまだ取得者の少ない資格を取得しました。入院患者さんのなかには、もともと認知症を持った方もいらっしゃいますが、入院をきっかけに認知症が顕在化したり悪化したりするケースもあります。急な環境の変化で、これまで普通にできていたことができなくなったり、自信を失ったりするのです。そうした方に作業療法を通じて、自信と日常生活の機能を取り戻していけるよう支援するのが、私の大事なミッションの一つです。
急性期で入院してこられる患者さんは、不安や混乱や恐怖を抱えておられることが多い。少しでも安心して過ごしていただけるよう、お一人おひとりと丁寧に向き合いたいと思っています。